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1966年から2年間、毎週日曜夜(地域により放映日時は別々)の楽しみだった「宇宙家族ロビンソン」。本国

アメリカではその前年からスタートした本作は都合4シーズン製作された。

​第 1シーズンはモノクロでの放映で、その後カラー版へと移行。ちょうど日本でも東京オリンピックの成功後の高度成長期に入りカラーテレビが徐々に普及し始めるのとリンクしていた。

自分はその当時、カラーで観た記憶はなくカラー受像機の購入は68年のメキシコ五輪後だったと思う。そのため、この作品のイメージはずっと白黒レトロのままだったが、時代が進み全作品のDVD商品化により初めてカラー版が観られるようになった。

​"総天然色"(敢えて古臭い表現にした)での本作品は誠にカラフルであの幸せな時代を再現してくれた。

毎回、最後に危機が訪れて「さぁ、この後どうなるかは来週のお楽しみ!」というパターンの作品で、1週間が本当に待ち遠しかったのをいまだに思い出す。

ストーリーやキャストその他諸々の情報はWIKIでご覧頂くとして、ここでは子供の頃の思い出を中心に語りたい。「アルファ・センタウリ」という天体を目指すプロジェクトに選ばれたロビンソン家族の宇宙航海でその都度未知の惑星に不時着しながらその星で遭遇するモンスターや妖怪、更には大嵐に立ち向かう姿から「友情」「情け」「教訓」等を子供たちに教えてくれるという内容だ。家族の他に、不法侵入して道連れとなったドクター・スミス(彼の存在はこの作品の人気の半分を占めている)と最新鋭ロボット「フライデー」も一緒。この事からも「ロビンソン」の背景が「ロビンソンクルーソー」であると容易に理解できるだろう。登場する怪物たちは子供心には強烈に恐ろしいイメージだったが大人になってから見ると何とも他愛もない可愛い姿に思える。まさしく子ども向けの作品だったんですねぇ。

その怪物を見て「ぎゃ~~っ」と大声で叫んで逃げ回るのがジョナサン・ハリスが演ずるドクター・ザックレー・スミス。とにかく「ズル」「臆病」「意地悪」「欲深」の権化のような存在で家族ばかりか宇宙人にまでも迷惑かけっぱなしのオンパレード。だが、どうしても憎めないその様子はいつの世のどんな社会にもある「必要悪」的な存在であり、うまく付き合いながら共存していく知恵を教えてくれていた様だ。

いつの回か忘れたが、友達になった別の星の宇宙飛行士が地球の側を通る予定があるのを知ったドクター・スミスが懇願して一人連れ帰って貰おうというエピソードでは結局のところ堂々巡りの末に舞い戻ったり、時空の扉から地球に転げ落ちた長男ウィルがただ一人で地球に居るよりも家族と一緒の方を選んで宇宙に戻ったりと、故郷や親子の「絆」に触れていた点でも根本テーマはやっぱり「愛」に他ならないのだ。

​この作品を観ている世界中の子どもたちにとって、家族のリーダーであるロビンソン博士は「父性」、その妻でありウィル、ジュディー、ペニーの母親でもあるモーリンが「母性」との典型的で健全な「家族構成」は、家庭のあるべき姿を伝えようとする製作側のメッセージとして強く感じさせられた。

​あらためて作品を観てみて、いつでもあの子供の時分に舞い戻れるのはちょうど「絵本」にも似た癒しの効果があるようだ。そんな作品と出会えた事に今更ながら感謝の気持ちが溢れる思いでした。

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