


⑦



「ドルビー・サラウンド・システム」は主に室内に設置したスピーカーで普段楽しんでいる。使用しているAVアンプはDENON AVR-X4500Hという11.2chまで拡張可能の機種。スピーカー構成は図の様に床置きスピーカー5台と上部スピーカー9台。重低音再生用のサブ・ウーファーはアンプのウーファー出力が2チャンネルあるので床置き型の他に単体ユニットにも繋げてある。
部屋が2階のため普段はあまり大きな音量では聴けないのでコンパクトな音響空間が作れないものかと色々考えた結果、椅子の周りに円形にスピーカーを配置できるシステムを思い付く。約2年あまりかけて試行錯誤の末に自分専用のユニットを作成した。まずはベースとなるスタンドに使わなくなったパソコンラックを使用。当初はフロント部とリア部は別々に作成①したが空間的に目論んでいたスペースよりも広すぎるため、アームを補強して②全てのスピーカーを座った際の頭部周辺に集まる様に設計変更。最終的に各スピーカーに反響プレートを取り付け③、さらに上部を覆うパネルも設置して完成。まるで大型のオープンエアヘッドフォンのような空間を実現出来た。

②
③
このシステムで音楽を聴く時はサブウーファーは椅子の中に組み込んだ単体ユニット④を作動させる。椅子の背中部分を開けてユニットを入れ、ずれない様にボルトで固定⑤させる。接続はバナナプラグのオス・メスで解決。重低音ユニットはウーファー用のプリアウト端子からパワーアンプ⑥に通した信号を音量調節できる。このシステムはYAMAHA RX-V781で稼働する。
こちらのアンプも9.1chまで拡張できるのでイマーシヴ空間が堪能できる。スピーカーが全て内側を向いている事と各スピーカーがサテライト用の小型のものであることからかなりの音量でも問題は無くなった。
重低音ユニット「PUMPⅢ」は厚みのあるゴツいスピーカーで、たとえば座面に置く場合にはクッションなどを上に敷かないとならない。一方、以前若い頃に
使っていたPIONEERのボディソニックから取り外して保管しているフラット型振動スピーカー⑦は薄いユニットで取り扱い易い。


④
⑥
21世紀に入り既に四半世紀が過ぎた現在、サラウンド技術も日進月歩の進歩を見せている。今ではモニター前に置く横長のサラウンドユニットが人気の様だ。これらは擬似サラウンドだが、なかなか侮れない優秀な性能らしい。
自分は音質重視のオーディオマニアではない。音質よりも音場に魅了されている。思わぬ方角から聞こえてくる楽器の音、グルグル回るような音の渦、移動する効果音など、今や単純なステレオでは満足出来なくなってしまったが・・・。
若者世代はタイパやコスパ重視であまり拘りを求めなくなっているそうだが、
マニアックに没頭できる世界を一つか二つは持つべきだと思う。好きな世界を突き進むことで思わぬ閃きが生まれるはず。

⑤
